グ ラ イ マ ー 廣 山
其の弐
さて、今回は乙女の滝ルートからの記述となるが、この回から読むと単なる手稲山登山になってしまうので、できれば前回から読んでみよう。
ヒグマが里近くに出現する回数が目立ってきている。理由は色々あるだろうが、人間の行いが何らかの原因として関わっていることは間違いない。山の中でヒグマが先に人間の存在に気づいたときには、恐怖を感じて逃げていく。しかし、その人間が美味い食料を持っていると分かっているとしたら、当然その食料にありつこうと考え、人間に恐怖して逃げるより餓死をおそれ食べ物を得る選択をとるのは当然の判断だろう。
其の弐にして、ようやく山道らしい山道の画像を載せることができるのだった。この山道は長くは続かず、一旦幅の広い林道にでる。採石場で行き止まりとなった舗装路の延長上の道である。(06:35)
自然歩道入り口から10分程歩くと「乙女の滝」入り口にたどり着く。(06:43) 今回は「星置の滝」同様寄らないことにした。滝の写真はこちらを参考に。林の中を数分進んですぐに滝の姿を観ることができる。途中には金山住居跡がある。
滝ノ沢分岐点に出る。(07:05) 左側が滝ノ沢連絡路。自然歩道北尾根ルートに連結している。右側は乙女の滝ルート。当然、右側に進む。機会があったら今度は北尾根ルートを歩いてみたい。
途中、いくつか丸太橋を渡ることになるのだが、これがけっこう揺れて、なかなかスリルがある。自分が渡ったせいで折れてしまっては申し訳無いので、慎重にゆっくりと進むのであった。
実際に山道を歩いていて、いやだと思うのはクモの巣に引っ掛かることだ。
今回の登山でも幾度となくクモの糸が私の顔面にあたってきた。クモの方も生きるのには必死であるから、いかに獲物が多く行き来する通り道に巣を確保するかを考えると、この開けた山道部分が最適な選択となるのだろう。あとは、予想通り獲物が引っかかるのか、ザックを背負った大きな動物が苦労して作った巣を一瞬にして壊していくのか、こればかりは運任せである。
それを考えると、私もクモもどちらも受難であるのだなあ。
手稲区の第三の滝?である滝ノ沢川の滝。大きくはないが、静かな山の中を清涼感あふれる水の流れが心地よく感じる。(07:24)
さすがに山の中は街中の路傍では見ることのできない植物でいっぱいだ。上の写真は「オオウバユリ」大きな花を咲かせて至る所に生えていた。名前は家に帰ってから調べたのだが……。これぐらい分かりやすいと図鑑で調べるのも楽である。
あいかわらずクモの巣攻撃は激しい。おそらく本日このルートに入ったのは私が1番目だからだろうが、これがアラミド繊維なら体は切り刻まれていることだろう。
分岐点に出る。左がロープウェイ山麓駅に通じる道。右側は今では廃道となっていて進めないようだ。(07:50)
途中、湿地帯になった道をとおる。丸太が敷かれているので、ぬかるみに足を取られることはない。
湿地帯を抜けて、かなり昔に舗装路となった道にかわる。そこからすぐに見晴らしのいい場所に出る。(08:03)
天気は曇り空だが、正面の尾根には手稲オリンピアの観覧車を見ることができる。ここにきてようやく山からの景色らしい景色を見ることができた。
ここで自然歩道乙女の滝コースは終了。なんとかヒグマには遭わないですんだ。ここを出ると手稲山自動車道にでる。しばらくは車道を歩いて登ることになる。(08:15)
遂に手稲山山頂が目の前に現れた。(08:21) もう少しである。ロープウェイを利用するにはこのまま舗装路を進む。右側に林道が続いていて、山頂まで延びている。一般の車は立ち入り禁止。ここから更に歩く者はこの林道を利用する。左側の写真に大きく写っているのが、オリンピックハウス。今は使われていない。赤い屋根の建物がロープウェイの山麓駅である。
一見、登山道のように思えるのだが、さにあらず。自転車専用のダウンヒルコースであり夏もスキー場の斜面は有効に使われているようだ。山麓駅にはたくさんのライダーが自転車を車に積んでやってきていた。私はその光景を見るまで手稲山にマウンテンバイクのダウンヒルコースがあるということを知らなかった。ロープウェイで自転車をあげ、コースを降りてくるスタイルが一般的のようである。
ここに来て、いきなりペースが落ちてしまった。原因はいろいろ思い当たる。午前1時に目が覚め、そのまま朝を迎えてしまったこと。朝食を摂らずに来たこと。ほとんどこれまでピッチを取らなかったこと。申しあわせたかのように疲労感と睡魔と空腹感がわが身を襲い始めた。ほとんど進めなくなり、仕方がないので一休みすることとした。開けた場所でゴロンと横になる。(08:52)
10分経過……。
更に20分経過……。
ついでに30分近く経過……。
うわああああ、いつのまにか1時間も経ってしまった。だが、ようやく意識もはっきりして体力も回復できた。しかし完全復活ではないので、ゆっくりとカメのように進む。ガスがかかりはじめていた天気も再び青空になってきたようだ。私が休んでいる間、50歳前後の男性登山客1名が往復をしていた。こんな山で何をばてているんだろうと思っていたことだろう。
山頂駅が見えた。あともう少しだ。
遂に山頂に到着!(10:24) 海抜ゼロからの手稲山登頂達成。いやあ、良かった良かった。途中、休んでしまったため総所要時間は5時間12分となってしまった。天気予報は雨ということだったが、一度わずかに霧雨に合った程度。頂上からの景色はなかなかの眺めだ。過去に幾度とない雨男疑惑をもっている私にとっては満足できる天候であった。
遠くにオタルドリームビーチをはっきりと見ることができる。やや中央に見える白い建物が山口下水処理場。そのすぐ近くの浜からスタートしたわけだ。
雲がなければ羊蹄山が見えるというが。
帰りは無理せずにロープウェイで降りてきた。片道520円。山麓駅からJRバスで更に下る。手稲駅まで380円だった。こういう時に文明の利器の有り難さが実感できるのであった。
完
雨が降った後のミニ鉄橋は滑りやすい。
今回は内容が内容だけに、何が何でも登頂に固執するというピーク主義的登山になってしまった。次回に手稲山をテーマとするときには、もっと足もとの自然に目を向けていきたい。
浜から見るとこの辺にいる。