迷探偵・廣山
ドブネズミ・レクイエム編
「ぎゃあ〜!」
貧相閑静な住宅地に女性(母だけどね)の声が響きわたる。庭にネズミの死骸をみつけたのだった。
「綺麗なものだ。まるで眠っているかのようだな。特に天敵に襲われたとおもわれる形跡は見当たらないな」
「灰色がかった褐色の背中。白い腹の体毛。耳はそれほど大きくはなく、しっかりと伸びたしっぽ……。ドブネズミだ」
「気味が悪いからよけといておくれ」
女性(母だけど)は、そう言ってその場を立ち去った。
「全くドブネズミとして生れてきただけでこの扱いだ。これがハムスターなら皆で可哀想と涙流して墓のひとつでもつくり悲しむことだろうに。同じげっ歯類だというのにこうも扱いが違うとは。人間とは無情なものだ」
「それにしても、凍死する時期にしては早すぎるな。ん?ホトケさんのすぐそばに何者かの糞がころがっている。猫にしては大きいな。おそらくノイヌのものであろう。それにしてもやけにカラフルだが……。」
「良く見ると粘土質のようなものであり、臭気は一切ない。笹の葉が固まってくっついている。解毒剤にでも使用したのだろうか?それをネズミが餌だとおもって食べた!イヌには問題ないがネズミには即効性の有毒、つまり死因は服毒死!?」
果たして真相は?
「安らかに眠れよ……」
空き地の枯草奥深くへと沈めたのだった。
どぶねずみみたいに
うつくしくなりたい
しゃしんにはうつらない
うつくしさがあるから
『リンダリンダ』( BLUEHEARTS)より